大切なお父さんお母さんへ

大切なお父さんお母さんへ

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「大切なお父様お母様へ」って、なんかアンジェラ・アキの「手紙」みたいですね。

(笑)6~10歳のお父さんお母さんに言いたい。年長さんから小学校3年生から4年生、もしかしたらビックリするようなことをいうかもしれかもしれないんです。それくらいの年齢は「出っ歯」がいいんです。

そのココロは?

私たちは、そのころをアグリーダックリングステージ(ugly duckling stage、別名:みにくいアヒルの子の時期)といって、先に上アゴが成長する時期で、そのあとに下アゴが成長します。

上下のアゴで、成長のタイミングにタイムラグがあるんですね?

そう。なぜかというと、脳とアゴの上ってくっついているじゃん?これ「神経系」(脳=神経)というんだけど、神経系が先に育つ。なぜかというと、人間は脳が先に発達するから。下アゴは「一般系」といって、上アゴが成長したそのあとに発達します。スキャモンの成長曲線(下記図>青枠)というのがあるんだけど・・。

出典:https://imnstir.blogspot.com/2011/07/scammon-curve-2.html

中学から高校生(赤枠部)で、ここで下のアゴついていく。つまり、6~10歳(青枠部)は上アゴが先に成長するから、出っ歯が一般的にいいんです。そのことをお父さんお母さんは、知らない。

そりゃあ、知らないです。

出っ歯じゃないとダメなんです、出っ歯がベストなんです。こんな図があるんだけどね、これは上アゴを下から見た骨。(下記画像参照)

ここ!真ん中に線があるの、わかるかな?歯の下のところですね?正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)っていうんです。

せいちゅうこうがいほうごう?

正中(せいちゅう)は体のタテ方向で左右に分けること、口蓋(こうがい)は上アゴの骨、縫合(ほうごう)は骨と骨のつなぎ目・・・といっても実際に縫っている訳じゃないんだけどね。

へえ。赤ちゃんの頭蓋骨みたいにくっついてないんですね。

そう、ここがパカーンって開かなアカン。開いていって、そこに骨が出来て、また開いて、骨が出来て、の繰り返し。ちなみに、さっき話に出た頭蓋骨の「蓋」と口蓋の「蓋」は同じ字、「ふた」とも読むよね。天蓋付きベッドもこの字だね。

ベルサイユのばらでマリーアントワネットが寝ているベッドですね!うふふ。・・・しかしそんなことが上アゴの骨の中で起こっていると全然知りませんでした。

出典:By Polygon data were generated by Database Center for Life Science(DBCLS)[2]. – Polygon data are from BodyParts3D[1], CC BY-SA 2.1 jp, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=33259964

出典:By Polygon data were generated by Database Center for Life Science(DBCLS)[2]. – Polygon data are from BodyParts3D[1], CC BY-SA 2.1 jp, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=33259987

出典元:By Polygon data were generated by Database Center for Life Science(DBCLS)[2]. – Polygon data are from BodyParts3D[1], CC BY-SA 2.1 jp, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=33259893

子供だと、切歯縫合(せっしほうごう)という横の線もある。切歯は、犬歯より前の歯4本のこと。これがしっかり広がってないとアゴが成長しないので、歯並びがガタガタになる。

出典:https://d.dental-plaza.com/archives/15586

骨の仕組みや単語の意味が分かると面白いし、説得力があります。

6~10歳にやってほしいことは、この2つ(正中口蓋縫合、切歯縫合)を広げてほしいということなんですよ。すごい極端に言うけど、歯並びなんてどうでもいいんですよ。

お父さんお母さん気にしているのは歯並びだけど、上アゴを広げなければ将来の歯並びが悪くなる。10歳までは出っ歯ぐらいでちょうどいいんだけど、残念ながら出っ歯になっていない子が多いんだよね。

先生はそれが言いたかった!

そう、それをしないとどうなるか?という話を、今からします。

上アゴ真ん中の正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう:上あごの縦の骨のつなぎ目)しっかり広げてあげる、インビザラインはこれが得意なんですよ。

床矯正(下記画像参照)は正中口蓋縫合を広げるのは得意なんだけど、切歯縫合(せっしほうごう:上あご前方の横方向の骨のつなぎ目)は苦手なの。

インビザラインは両方できるの

へー!なるほど、インビザラインは二刀流!今流行ってますね!大谷君みたい。(笑)

小学校の時に、キレイな歯並びになっちゃおかしい、出っ歯がいいのということ。だから一時的に歯並びは悪くなる。

例えば乳歯が抜けたら、隙間がないといけない。

そこに気が付いてよ、ということですね。

あと反対咬合(はんたいこうごう)、つまり受け口の9割くらいは上顎(じょうがく:上アゴ)の劣成長(れつせいちょう)といって、上アゴが成長しなかったための受け口。

反対咬合のほとんどは「下アゴ」が出ているんじゃなくて、「上アゴ」が出ていない。

上アゴが成長し損ねている、ということですか?

上アゴが成長しなかったけど、下アゴはちゃんと成長しただけ。反対咬合だけでなく、八重歯も上あごが成長しきっていないから犬歯が外に飛び出ちゃっている。ちゃんと広げておけば、歯並びや噛み合わせは自然に治る。

「歯並びがキレイになる」はおまけで、目的ではない?

歯並びや噛み合わせも大事だけど「呼吸」ね。特に男性は、睡眠時無呼吸症候群って多いじゃん。ベロの位置がよくない、ちなみにベロの位置はどこにあるのがいいと思う?

先日のNHKの「あさイチ!」でやっていました!ベロを上アゴに押しつけるといいって。上ですよね?

そう!反対咬合の子は、ベロが下に行くわけ。クイズね、この2枚の写真、顔の下半分を取ったレントゲンなんだけど、違い分かる?

左側の空洞(黒い部分)の狭さが違う?

そう!黒い部分は気道、どちらも私の写真。左の気道が狭い写真はベロが下にいる時、気道が狭いよね。右の写真はベロが上にいる時、気道が広いよね。

こんなに違うんですね。

わたしがどうしてこのCTを買ったかというと、気道の容積が測れるのね。CTによって容積が測れないものもあるんだけど、口呼吸と鼻呼吸とでどう変わるか?を知ってほしいから買ったの。

何が言いたいかというと、上アゴが成長していない人は、ベロが下へ行く。=上アゴが狭いから、みんな気道が狭くなる。

上アゴにベロがつけば、気道が広くなります。どんなにいい栄養素を与えても・・・例えば健康になるために玄米あげました、とかね。これじゃ届かないですよ、だって酸素が行かないから。

一番最高の栄養は、酸素ですよ。

これがなければ病気になります、だって酸素がいかないんだもん。鬱になります、イライラします、気持ちも顔も下を向きます。

先生にその話を聞いてから、家族にスマホを見るときなどに下を向くなって口を酸っぱくして言っているんですけどね・・・って自分も人のこと言えないと思いますが。(笑)

下に向くと完全にベロが下にいく。

何を言いたいかというと、ぶっちゃけ歯並びなんてどうでもいい。気道を確保したいの。

救急の人は気道確保するでしょう?

出典:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/multimedia/figure/%E6%88%90%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%B0%97%E9%81%93%E3%81%AE%E7%A2%BA%E4%BF%9D

酸素がいかないと、人間死ぬんですよ。短命だったり、アトピー、花粉症、病気になりやすい・・・現代人はアレルギーだらけじゃないですか?気道確保すると、全員治るとは言わないけど、8割くらい治ると思います。

お子さんの患者さんが治ったのを、目の当たりにしてきたんですね?

メチャメチャいる。だって正常に免疫が働かないですよ。

歯並びも噛み合わせも大事だけど、6~10歳の間に気道を開けてあげればこういうことが起きないです。

薬を飲むよりもこっち(インビザラインで、上あごを広げてあげる)方が良いってことすね?

(食い気味に)そうですよ。花粉症の薬とか飲んでいる場合じゃない。

だから私は6~10歳のお父さんお母さんに言いたいのは、矯正は命を守ることになるし、将来の人生を長くする。それは6~10歳しかできない。

「永久歯が生えてから治そう」と思っているお父さんお母さんはいるけど、この時期にやるのがどんなに大事かということが分からない。こんなこと言っている先生は私だけかもしれない。

この気道に注目してから、自分で研究するようになって・・・気道に酸素がどれくらい入るかをCTで容積が測れるんですよ。

 ちなみにさっきの私の写真、10倍くらい容積が上がっているから、10倍くらい酸素がいくんです。

10倍か・・・ベロの位置でそんなに違うんですね。

そんなこと言っている先生はいないと思います。歯並びや噛み合わせも大事だけど、歯並びグチャグチャでもいいから、酸素が入れば病気にならへんもん。広げると歯並びは結局よくなるんだけどね。

すごく極端にいうと、矯正を途中でやめてもいいから、上アゴをしっかりこの時期に広げてあげることが、その人の人生が90歳とするじゃない、あと70年が決まっちゃうのよ。この時期にやってほしい、お金儲けじゃなくて。

私はそういう患者さんをたくさん診たい、その人を助けてあげたいから。うつや花粉症やアレルギーに効くし、実際私は花粉症になっていないです。

先生、花粉症じゃないんですね!論より証拠!

これだけ違うってことを分ってほしいな。ベロが下にあると、気道確保できない。子供の時にやっておけば、その子の人生がよくなるのね。ちなみにこの写真はうちのスタッフなんだけど、ムッチャ気道広くない?

確かに広いですね!

体力あるのよ。陸上の国体の選手で、中学生の時に作った記録はいまだに抜かれていないんだって。山に一緒に登っても、どんどん登っていくし。ほとんどの子は気道が狭くて、生きているのか死んでいるのか分からへん。最近の子供は冷え性も多いしね。

歯並びを治すのではなくて、気道を広げたいんです、ということですね。

そうそう。生かしてあげたい、その子の人生をよくしたい。みんな、CTで撮ってみるといいと思う。大谷君なんて、こんな感じだと思う、撮ってないけど。(笑)

6~9歳が一番いい、10歳がギリギリ、出っ歯OK。

出っ歯でも下の成長が追い付いてきて、最終的には正常な咬合(こうごう:噛み合わせ)になるから。

先生からのお父さんお母さんに対してのメッセージラインは、2つ。

「歯並びを治すのではなく『気道』を広げたい」、あと「小学校低学年の出っ歯OK」ということですね。極端に言うと上アゴを広げるだけでいい、広げるだけなら、1年で終わるので。

上アゴの成長を助けてあげれば、下アゴの成長がついてくるから。

みんなの病気を少なくしたい、それだけです。


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